坂道と石畳の街! サクレ・クールの前までゆくようなとき、パリの屋根屋根が夕靄にどよめいているのを感じて、胸が鋭くしめつけられるような感覚を味わった。 町々に灯が入るころ、丘の頂きから暮れてゆくパリを見るのもすばらしい。 淡く夕暮れの西空に、サクレクールのシルエットが立っていた。 ただ近づいてくる夜とともに窓々に光りだす灯火の数が、そこにそれだけ、 人生があるのだということを、はっきり語りかけていた。
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聖夜
渡辺 正重
MATSUDA